Research

English version is under construction. Please see PUBLICATIONS for the latest efforts. Research contents in our Japanese site are described below. http://mbm.me.es.osaka-u.ac.jp/en/wp-content/uploads/sites/7/2020/10/LabIntro2020en.mp4 主な研究課題 1) 生命の力学的恒常性と適応のメカニズム ふつう、生命の「適応」の研究と言うと、(キリンの首はなぜ長い、など)進化の過程で獲得した遺伝形質に関するものが多いと思います。一方、私たちが研究している「適応」とは、遺伝子の変化を伴わない(さらには遺伝子”発現”の変化さえ伴わない生体恒常性[=ホメオスタシス])のメカニズムに関するものです。暑いときは汗をかいて体温を調節する、血糖値を一定に保つ、などがホメオスタシスの例としてよく挙げられます。これは周囲環境の変化等に起因する生体内の(体温なり血糖値なりの制御対象の)変化を逐一感じ取り、それに生体が応答してその変化を緩和する機能です。これは環境の変化に「適応」するための機能とも解釈できます。 一般にホメオスタシスは、ヒトを含む一個体が生き続けるための根源を成すものですが、その中で私たちが研究対象としているのは「個々の細胞レベルでの張力ホメオスタシス」の物理的かつ分子的メカニズムです。他のホメオスタシスがそうであるように、この張力ホメオスタシスが正常に機能しない場合は病気(ここでは、炎症促進シグナルの持続的活性化を指す)を誘発します(Kaunas and Deguchi, 2011)。 より具体的には、張力ホメオスタシスとは、個々の細胞接着部位に生じる「引張応力」を一定に保つ機能のことです。このメカニズムを考えるにあたり、キーワードとして自由エネルギー、ひずみエネルギー、化学ポテンシャル、ターンオーバー、正負のフィードバック、安定・不安定解析などが挙げられ、すなわち生命の問題でありながら物理やシステム制御工学の視点が不可欠です。従って、上記の(言わば従来的な)遺伝形質に基づく「適応」に関する研究課題とはおそらく大きく異なり、細胞の張力ホメオスタシスは物理的視点を備えた研究者でなければ現象の認識すらしづらい、しかしながら生命の維持にとって本質的な問題であると思われます。ただし一方で、得られた知見を分子生命科学に還元して将来の医学・医療への発展につなげるためには、物理的な記述により抽象的に説明するだけでは不十分であり、具体的な分子に基づいて説明することが求められます。そこで、「物理的本質の理解」と「責任分子の同定」の二兎の追究(前者の追究だけでは後述のメカノミクス研究欄に記載の通り、分子生命分野の研究者から認められない;また、後者だけでは現象の核心に迫ることはない)が重要と考えて独自の研究を進めています。 関連論文 Kang, N., Matsui, T.S., Liu, S., Fujiwara, S., Deguchi, S.*, Comprehensive analysis on the whole Rho-GAP family reveals that ARHGAP4 suppresses EMT in epithelial cells under negative regulation by Septin9, FASEB Journal, 34, 8326-8340, 2020. Deguchi, S., Matsui, T.S., Iio, K., The position and size of individual focal adhesions are determined by intracellular stress-dependent positive regulation, Cytoskeleton, 68, 639-651, 2011. Kaunas, R., Deguchi, S., Multiple roles for myosin II in tensional homeostasis under mechanical loading, Cellular and Molecular Bioengineering, 4, … Continue reading Research